家計簿で固定費を見直す手順【2026年】12か月分の洗い出しと削る順番

家計簿で固定費を見直す手順【2026年】12か月分の洗い出しと削る順番
2026年9月時点

本文の統計は総務省「家計調査」の2025年平均(二人以上の世帯)を2026年9月に確認したものです。通信・電気・保険などの料金や制度は改定されることがあるため、見直しのときは各社の公式サイトで最新の条件を確かめてください。

家計簿を3か月つけて、食費や日用品を切り詰めたのに月の支出がほとんど変わらない。そういうときに効くのが、家計簿を使った固定費の見直しです。固定費は毎月ほぼ同じ金額が自動で出ていくお金なので、1回の手続きで減らせば、その効果が12か月続きます。

ただし「固定費を見直そう」と思っても、何がいくら出ているかを一覧にしたことがない人がほとんどです。この記事では、通帳・カード明細・アプリの定期購入から12か月分の固定費を拾う手順、年額に直して並べる方法、効果が大きく手間が小さい順に削る順番、そして削ったあとに戻らないように家計簿へ登録する運用まで、順に説明します。

個別の会社名や料金プランの比較はしません。料金は変わりやすいので、どんな会社を選んでも通用する「見直しの型」を残します。

先に結論

  • 固定費は「毎月(または毎年)ほぼ同じ金額が、使った量に関係なく出ていく支払い」です。家賃、通信費、保険料、サブスク、電気ガスの基本料金、ローン返済が入ります。
  • 洗い出しは通帳・カード明細・アプリの定期購入画面の3か所から、直近12か月分を拾います。年1回の支払いは1か月分だけ見ても出てきません。
  • 拾った固定費は月額ではなく年額に直して、大きい順に並べます。月1,000円の差は年12,000円で、並べ方で判断が変わります。
  • 削る順番は通信、保険、サブスク、電気ガス、住居の順です。効果の大きさと手続きの手間のバランスで決めます。
  • 削ったあとは、家計簿に固定費として登録し、毎月の合計を見ます。登録しておくと、増えたときにすぐ気づけます。

固定費とは何か、なぜ家計簿で見直すのか

固定費とは、使った量に関係なく毎月または毎年ほぼ同じ金額が出ていく支払いです。家賃や住宅ローン、スマホと自宅の通信費、生命保険や医療保険の保険料、動画や音楽のサブスク、電気とガスの基本料金、車の駐車場代や保険、借入の返済がここに入ります。

対になるのが変動費です。食費、日用品、外食、交際費のように、その月の行動で金額が変わる支出です。家計簿を始めた人がまず削るのは変動費ですが、毎日の我慢が要るわりに減らせる幅は小さいものです。

固定費は1回の手続きが12か月効く

固定費が違うのは、減らす作業が1回で済むことです。通信の契約を変えて月1,000円下がれば、その後は何もしなくても年12,000円が減ります。食費で年12,000円減らすには、毎月1,000円分の我慢を12回続ける必要があります。同じ金額でも、続けやすさがまったく違います。

家計簿があると「削れたか」を確かめられる

固定費の見直し自体は家計簿がなくてもできます。それでも家計簿を前提にするのは、削ったあとの確認ができるからです。契約を変えた翌月に本当に下がったか、半年後に新しいサブスクが増えていないか。家計簿に固定費を登録して毎月見ていれば、この2つに気づけます。

迷いやすい支出の分け方

固定費と変動費のどちらに入れるか迷う支出があります。目安は「先月と同じ金額が、自分の行動に関係なく請求されるか」です。

支出分け方理由
電気代・ガス代基本料金は固定費、使用量分は変動費として扱ってよい金額は月ごとに変わるが、契約先を変えると単価が下がるので見直しの対象に入れる
駐車場代・車の保険固定費乗らない月も同じ金額が出る
年1回の支払い(保険の年払い、年会費、NHK受信料の年払いなど)固定費。12で割って月額にする1か月分の家計簿には出てこないので、見落としやすい
借入の返済固定費返し終わるまで毎月同じ額が出る。返済を固定費として扱う付け方はカードローンの返済を家計簿で管理する記事で説明している

項目の作り方自体に迷う場合は、家計簿の項目を5〜8個に絞る分け方を先に読むと、線が引きやすくなります。

固定費の洗い出し手順(12か月分を3か所から拾う)

見直しがうまくいかない一番の理由は、洗い出しが不完全なことです。頭の中で「家賃、スマホ、保険」と数えても、年払いの保険やアプリ内の定期購入は出てきません。次の手順で直近12か月分を機械的に拾います。

  1. 銀行の通帳かネットバンキングの入出金明細を、直近12か月分開きます。毎月同じ名前で同じ金額が引き落とされている行と、年1回だけ大きく引き落とされている行に印をつけます。
  2. クレジットカードの利用明細を、同じく12か月分開きます。通信費、サブスク、保険料はカード払いにしている人が多く、通帳には出てきません。毎月同じ加盟店名が並ぶ行を拾います。
  3. スマホの定期購入(サブスクリプション)の画面を開きます。iPhoneは「設定」の自分の名前から「サブスクリプション」、Androidは「Google Play」の「お支払いと定期購入」です。アプリ内で契約したものはここにしか出てこないことがあります。
  4. 給与明細を1枚見ます。団体保険や財形貯蓄、社宅の家賃は天引きされていて通帳に出ません。
  5. 拾った支払いを1枚の表にまとめます。列は「名前」「月額」「年額」「支払い方法」「更新月・解約条件」の5つです。

3か所を分けて見るのは、それぞれ見つかるものが違うからです。

拾う場所主に見つかる固定費ここでしか見つからないもの
通帳・ネットバンキング(12か月分)家賃、住宅ローン、電気ガス水道、保険料の口座振替、借入の返済年払いの保険料、固定資産税など年1〜4回の支払い
カード明細(12か月分)スマホ・自宅の通信費、動画や音楽のサブスク、ジムや習い事、年会費カードの年会費そのもの、無料期間が終わって課金が始まったサービス
スマホの定期購入画面アプリ内で契約した有料プラン、クラウドの容量追加カード明細では「アプリストア名」としか出ないものの中身
クレポン
クレポン

カード明細を12か月分見たら、無料お試しのつもりで入れて忘れていたサービスが2つ出てきたよ。1か月分だけ見ていたら気づかなかった。

12か月分にこだわるのは、この「忘れていた支払い」と「年1回の支払い」を拾うためです。かかる時間は1〜2時間ですが、年1回で十分なので、最初の1回だけ腰を据えてやります。

年額に直して大きい順に並べる

洗い出した固定費は年額に直します。月払いと年払いが混ざっていると比べられないこと、月額では小さく感じる支払いが年額にすると判断が変わること、の2つが理由です。

次は、年額換算の表の例です。金額は説明のための仮の数字で、平均や目安ではありません。

固定費支払い方月額換算年額解約・変更の条件
家賃毎月・口座振替80,000円960,000円更新は2年ごと、解約は1か月前予告
生命保険・医療保険年払い・カード15,000円180,000円いつでも見直し可、解約返戻金の有無を確認
スマホ2台毎月・カード12,000円144,000円端末の分割払いが残っているか確認
電気・ガス毎月・口座振替13,000円156,000円契約先の変更は違約金の有無を確認
自宅の回線毎月・カード5,000円60,000円更新月以外は違約金が出ることがある
動画・音楽・クラウド(計4つ)毎月・アプリ内3,200円38,400円いつでも解約可

年額の大きい順は家賃、保険、電気ガス、スマホ、回線、サブスクです。ただし「大きい順に削る」のではありません。家賃は一番大きいですが、引っ越しには初期費用と手間がかかります。次の章で、効果と手間の両方を見て順番を決めます。

「解約・変更の条件」の列は必ず入れてください。この列があるかどうかで、その場で手続きできるか調べ直しになるかが決まります。

削る順番は「効果が大きく、手間が小さい」順

削る順番は、年額の大きさと手続きの手間の2つで決めます。年額が大きくても手間が重いものは後回しにし、手間が軽いものから手をつけます。最初の1つで「減った」実感を得ると、次に進みやすくなるからです。

順番費目効果の大きさ手間主な見直し方
1通信(スマホ・自宅回線)中〜大使っているデータ量に合ったプランへ変更。乗り換えの手続きは総務省の携帯電話ポータルサイトで流れが確認できる
2保険何に備えている保険か、公的な保障や貯蓄と重なっていないかを確認し、重複を外す
3サブスク・月会費小〜中直近3か月に使ったかで判断。使っていなければ解約し、必要になったら入り直す
4電気・ガス小〜中小〜中契約先とプランの見直し。電力は小売が自由化されていて、契約先を選べる
5住居更新のタイミングでの住み替え、住宅ローンの借り換え。初期費用と手間を年額の差と比べる

1. 通信費は「使っている量」と「払っているプラン」のずれを見る

最初は通信費です。手続きがオンラインで完結することが多く、翌月から金額が下がります。見るのは、毎月のデータ使用量と契約プランのずれです。大容量プランなのに自宅と職場のWi-Fiで済んでいて使用量が少ない、というずれはよくあります。

目安として、総務省「家計調査」の2025年平均では、二人以上の世帯の「通信」は1世帯あたり月11,672円です。人数やスマホの台数で変わるので、多いから高いとは言えませんが、平均よりかなり上ならプランのずれを疑う入口になります。

注意点は端末の分割払いです。通信料と端末代が1つの請求にまとまっている場合、プランを変えても端末代は残ります。明細で通信料と端末代を分けて見てから判断します。

2. 保険は「何に備えているか」を1本ずつ言えるか

保険は年額が大きく、見直し効果も大きい費目です。ただし解約すれば保障が消えるので、通信費のようには動けません。まず、持っている保険を1本ずつ「何が起きたときに、いくら受け取るための保険か」と言葉にします。言えない保険は、加入時の目的が今の生活と合っていない可能性があります。

次に、同じリスクに二重に備えていないかを見ます。医療保険が2本ある、会社の団体保険と個人の保険が同じ内容、といった重複はよく見つかります。会社員なら健康保険の高額療養費制度や傷病手当金があるので、その上に何を足すかで決めます。迷う保険はいったん飛ばし、次の費目のあとに戻って構いません。

3. サブスクは「直近3か月に使ったか」だけで決める

サブスクは1つずつが小さいので、月額で見ていると放置しがちです。年額に直すと4つで38,400円のように、まとまった金額になります。基準は1つで、直近3か月に使ったかどうかです。使っていなければ解約し、また使いたくなったら入り直せば済みます。「そのうち使うかも」で残すと、洗い出しの前と同じ状態に戻ります。

今後は、無料お試しに入るときに家計簿へ「〇月〇日に課金開始」と入れておくと、課金の始まりを見逃しません。

4. 電気・ガスは契約先とプランを見直す

電気は2016年から小売が全面自由化されていて、地域の電力会社以外とも契約できます。使用量と生活時間帯に合ったプランを選ぶと、同じ使い方でも単価が変わります。資源エネルギー庁のサイトに、登録小売電気事業者の一覧と切り替えの流れが載っています。

電気ガスは夏と冬で使用量が大きく変わるので、1か月分の請求だけで比べず、12か月分を並べて年額で見ます。契約先を変えるときは、違約金と、セット割の割引が消えないかを確認します。

5. 住居は年額の差と初期費用を比べてから

家賃や住宅ローンは年額が最も大きい固定費ですが、手間と初期費用も最も大きい費目です。賃貸なら、引っ越し費用と新居の初期費用を合計し、家賃の差額で何年で回収できるかを計算します。回収に3年以上かかるなら、今回は見送る判断も正解です。

住宅ローンは借り換えで金利が下がれば返済額が減りますが、手数料がかかるので差額と費用を比べます。住居は今すぐ動く費目ではなく、更新や生活の変化のタイミングで検討する費目として表に残しておきます。

クレポン
クレポン

いきなり家賃から考えて、引っ越し費用の見積もりで止まっていたよ。通信とサブスクを先に片づけたら、1か月で「減った」が見えて続ける気になった。

固定費のあとに変動費や収入へ進む全体の順番は、家計の見直しを固定費・変動費・収入の順に進める理由で扱っています。

削ったあとに戻らない仕組み(家計簿に固定費として登録する)

一番もったいないのは、削ったのに半年後に元に戻っていることです。新しいサブスクが増える、無料期間が終わって課金が始まる、通信のプランがいつの間にか上がっている。1つずつは小さいので、気づかないうちに積み上がります。戻さない仕組みは、家計簿に固定費を登録して毎月見ることです。

家計簿に固定費を登録する

見直しが終わったら、残った固定費を家計簿に「固定費」として登録します。毎月同じ日に同じ金額が出る支払いは、1回登録すれば毎月の記録に入るので、入力の手間はかかりません。マネトナリ家計簿は固定費(定期的な支払い)を登録できるので、家賃、通信、保険、サブスクを登録しておけば、毎月の支出に固定費が含まれます。

年払いのものも12で割った月額で入れておきます。月の固定費の合計がいつも同じ数字になり、増えたときの違いが分かりやすくなります。

月1回、固定費の合計を見る

毎月の締めのときに、固定費の合計を先月と比べます。見直し直後の合計を「基準の数字」として覚えておき、増えていたら何が増えたかを確認します。月ごとの推移グラフがある家計簿なら、固定費の項目だけを見て、線が上がった月を探すだけで済みます。

この確認は1分で終わります。1分の確認を毎月続けることが、1〜2時間かけた洗い出しを無駄にしない方法です。

年1回、洗い出しをやり直す

固定費は1年たつと状況が変わります。通信の台数が増える、車を手放す、保険の更新が来る。年に1回、同じ3か所で12か月分を見直します。2回目からは前回の表があるので、差分を見るだけで30分ほどで終わります。

固定費の見直しでやらないほうがいいこと

  • 保険を「高いから」という理由だけでまとめて解約すること。何に備えていたかを確かめ、公的な保障と重なる分だけ外します。
  • 違約金や更新月を調べずに契約先を変えること。年額の表に「解約・変更の条件」の列を作ってから動きます。
  • 住居から手をつけること。効果は大きいですが手間も大きく、ここで止まると他の費目まで進みません。
  • 削った金額をそのまま使ってしまうこと。減った分は先に貯蓄口座へ移すか、家計簿の予算に反映します。予算の作り方は手取りからの配分で家計簿の予算を決める方法にあります。

よくある質問

固定費は手取りの何割までが目安ですか。
「何割」という公的な基準はありません。目安を作るなら、家計調査の費目別の平均額を世帯人数の近い区分で見て、自分の年額の表と1つずつ比べる方法が確かです。この記事で示した通信費のほか、住居や光熱・水道の平均額も同じ調査で確認できます。
洗い出しは1か月分の明細ではだめですか。
1か月分では、年払いの保険料や年会費、隔月の支払いが抜けます。それらは年額で見ると大きいことが多いので、最初の1回は12か月分を見ることをすすめます。2回目以降は前回の表があるので、差分だけで済みます。
家計簿アプリに固定費の機能がない場合はどうしますか。
毎月1日に、固定費を手入力でまとめて入れる方法でも同じことができます。大事なのは機能ではなく、固定費が毎月の支出に含まれていて、合計を先月と比べられることです。
見直しにどれくらいの時間がかかりますか。
洗い出しと年額の表づくりが1〜2時間、通信とサブスクの手続きが各30分ほどです。保険と電気ガスは調べる時間を含めて数日、住居は更新のタイミング次第です。一度にやらず、順番どおり1つずつ進めます。

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まとめ

固定費の見直しは、洗い出し、年額換算、削る順番、戻らない仕組みの4段階です。1回の手続きが12か月効くので、変動費の節約より確実に家計が軽くなります。まずは今日、通帳とカード明細を12か月分開いて、毎月同じ金額が出ている行に印をつけてください。

参考