家計簿の予算の決め方【2026年】手取りから配分し、3か月の記録で決める手順

家計簿の予算の決め方【2026年】手取りから配分し、3か月の記録で決める手順
2026年9月時点

この記事の統計は、総務省統計局「家計調査」の2025年平均結果を2026年9月に確認したものです。配分の比率はいずれも目安で、家賃や家族構成によって適した数字は変わります。

家計簿の予算の決め方で最初につまずくのは、「食費はいくらが正解か」を外に探してしまうことです。家計簿を3か月つけて記録はある。でも予算が無いので、今月の食費6万円が多いのか普通なのか判断できない。材料はそろっているのに、分量を決めていない状態です。

予算は、手取りをどう配分するかを先に決め、次に自分の記録から項目ごとの数字を出せば、30分で決まります。この記事では、固定費・変動費・貯蓄の配分の目安、過去2〜3か月の記録から予算を出す手順、項目ごとの決め方、そして予算をオーバーしたときにどう扱うかまでを順に説明します。

読み終わる頃には、来月の予算表が1枚できて、月末に何を見るかも決まっています。

先に結論

  • 予算は「手取りの配分」から決めます。固定費・変動費・貯蓄の3つに分け、50・30・20のような比率はあくまで目安として使います。
  • 項目ごとの数字は、過去2〜3か月の記録の平均から出します。平均より1割ほど低い額を予算にすると、無理なく引き締まります。
  • 固定費は実額をそのまま、変動費は平均から、年に数回の支出は年間の合計を12で割って毎月の「特別費」にします。
  • 予算オーバーは翌月の同じ項目で調整します。3か月続けてオーバーしたら、守れない予算ではなく予算のほうを直します。
  • 毎月の確認は、項目ごとの円グラフと月ごとの推移を予算と見比べるだけで足ります。

家計簿の予算は「上限」ではなく「配分」

予算と聞くと、「この額を超えたら失敗」という上限を想像しがちです。けれど家計の予算の役割は、手取りを何にいくら振り分けるかをあらかじめ決めておくことです。配分が決まっていれば、食費が少し超えても「交際費の残りで吸収できる」と判断でき、月末に不安になることがなくなります。

記録だけでは「多いか少ないか」が分からない

記録は「何に使ったか」を教えてくれますが、「それで良かったのか」は教えてくれません。比べる基準が予算です。基準ができて初めて、記録は振り返りの材料になります。

予算を決めるのに必要なのは2つの数字だけ

必要なのは、毎月の手取り額と、過去2〜3か月の項目ごとの支出額です。手取り額は給与明細の差引支給額(税金と社会保険料を引いたあとの額)で、家計調査でいう「可処分所得」にあたります。項目ごとの支出額は、これまでの家計簿の集計をそのまま使います。記録がまだ無い場合は、先に最初の1か月の家計簿のつけ方(締め日と項目の決め方)から始めて、2か月分たまってから予算に取りかかると数字に無理がありません。

クレポン
クレポン

3か月分の記録はあるのに、「食費6万円」を見ても多いのか普通なのか分からなくて止まってたよ。比べる相手がいなかったんだね。

手取りからの配分ルール(固定費・変動費・貯蓄)

最初に決めるのは、項目ごとの細かい数字ではなく、手取りを3つの箱にどう分けるかです。箱は「固定費」「変動費」「貯蓄」の3つで足ります。

3つの箱の中身

固定費は家賃、光熱費、通信費、保険料、サブスクリプション(定額サービス)など、毎月ほぼ同じ額が出ていく支出です。変動費は食費、日用品、交際費、娯楽など、月によって額が変わる支出です。貯蓄には、預金のほか積立投資と年に数回の支出のための積み立ても含めます。

比率の目安は「50・30・20」。ただし目安として使う

手取りの50%を固定費と生活に欠かせない支出に、30%を娯楽や交際などの自由に使う支出に、20%を貯蓄に、という「50・30・20」の比率がよく紹介されます。分かりやすい反面、家賃の高い都市部の1人暮らしでは固定費だけで50%を超えることが珍しくありません。反対に持ち家でローンが終わっている世帯なら、貯蓄を30%にできます。比率は「自分の配分がどこに寄っているか」を見るための物差しであって、守るべき正解ではありません。

目安の比率手取り38万円の場合入れるもの
固定費50%前後19万円家賃、光熱費、通信費、保険料、定額サービス
変動費30%前後11.4万円食費、日用品、交際費、娯楽、交通費、被服
貯蓄20%前後7.6万円預金、積立投資、特別費の積み立て

貯蓄を先に決める「先取り」が守りやすい

守りやすいのは、手取りから貯蓄額を先に引き、残りを固定費と変動費に分ける順番です。「余ったら貯める」は余りません。給料日に貯蓄分を別口座へ移すか積立の設定で自動化すれば、予算表に残るのは「使ってよいお金」だけになります。貯蓄は最初は手取りの10%でも構いません。3か月守れる額から始めて、続いたら上げます。

過去2〜3か月の記録から予算を出す手順

箱の配分が決まったら、項目ごとの数字を自分の記録から出します。所要時間は30分ほどです。

  1. 手取り額を書き出します。共働きなら2人分を合計し、ボーナスは月の予算には入れません。
  2. 過去2〜3か月の家計簿を、項目ごとに月別の合計で並べます。項目は5〜8個で十分です。細かい項目は「その他」にまとめます。
  3. 項目ごとに平均を出します。3か月のうち極端に高い月(冠婚葬祭、旅行など)があれば、その分は除いて平均します。
  4. 固定費の項目は、平均ではなく直近の実額をそのまま予算にします。
  5. 変動費の項目は、平均の9割を予算にします。1割の引き締めなら生活を変えずに届きます。
  6. 年に数回の支出(税金、保険の年払い、帰省、家電の買い替え)を書き出し、年間の合計を12で割って「特別費」の項目を作ります。
  7. すべて足して手取りと比べます。手取りを超えていれば、変動費の項目を上から順に見直します。残りが出れば貯蓄に足します。

手取り38万円の夫婦2人の例

食費なら3か月の記録が6.2万円、5.8万円、6.9万円で平均6.3万円、その9割で予算6万円です。全項目を並べると次のようになります。

項目3か月の平均予算決め方
家賃9.5万円9.5万円固定費。実額のまま
光熱費・通信費2.6万円2.6万円固定費。実額のまま(季節差は特別費で吸収)
保険料・定額サービス1.4万円1.4万円固定費。実額のまま
食費6.3万円6万円変動費。平均の9割
日用品1.1万円1万円変動費。平均の9割
交際費・娯楽3.4万円3万円変動費。平均の9割
交通費1万円1万円変動費。定期代が中心なので実額のまま
被服・美容1.7万円1.5万円変動費。平均の9割
その他1.2万円1万円変動費。平均の9割
特別費(年36万円)3万円年間の合計を12で割る
貯蓄(残り)8万円手取り38万円から上の合計30万円を引いた額

固定費13.5万円、変動費13.5万円、特別費3万円、貯蓄8万円で、手取りの内訳は固定費36%、変動費36%、特別費8%、貯蓄21%です。50・30・20とはずれていますが、家賃が手取りの25%に収まっているので固定費の比率が低く、その分が貯蓄に回っています。比率はこのように「自分の家計の形」を見るために使います。

項目ごとの予算の立て方

迷いやすいのが項目ごとの扱いです。3つの種類に分けると決め方がはっきりします。

固定費は「変えるなら契約から」

固定費は毎月の努力では減りません。予算は実額のまま置き、減らしたいなら契約の見直しで動かします。通信費のプラン変更や保険の見直しは一度やれば毎月効くので、予算を立てたあとに1つずつ手をつけます。手順は固定費の洗い出しと、削る順番にまとめています。

変動費は「平均の9割」から始めて3か月で調整する

変動費の予算を平均の7割にすると、最初の月から守れず、予算への信頼が消えます。9割なら「外食を月1回減らす」程度の変化で届きます。3か月守れたら、さらに1割下げるか維持するかを決めます。食費のように日々積み上がる項目は、月の予算を週に割って「週1.5万円」と持つと、月の後半で慌てません。

特別費は「年間で見て、毎月積む」

自動車税、保険の年払い、帰省、贈り物、家電の買い替え。こうした支出を月の予算に入れると、その月だけ大きくオーバーして「守れなかった」印象だけが残ります。年間の予定を合計して12で割った額を毎月「特別費」として積み立てれば、発生した月は積み立てから出すだけです。1年目は月2〜3万円から始め、翌年に実績で直します。

項目の数は5〜8個に抑える

予算を細かく分けるほど、どこに入れるか迷い、どこかの項目が毎月オーバーします。項目を増やすより「その他」を1つ置くほうが運用しやすく、迷う支出の振り分けは家計簿の項目を5〜8個に絞る分け方に沿えば決まります。

統計と比べるなら「比率」で見る

自分の予算が世間と比べてどうかを知りたいときは、総務省統計局「家計調査」の消費支出の内訳が使えます。2025年の二人以上の世帯(平均世帯人員2.87人、世帯主の平均年齢60.7歳)の消費支出は1か月平均314,001円で、内訳は次のとおりです。割合は金額から計算した値です。

費目1か月平均消費支出に占める割合
食料94,895円30.2%
住居18,678円5.9%
光熱・水道24,547円7.8%
家具・家事用品13,068円4.2%
被服及び履物10,063円3.2%
保健医療15,863円5.1%
交通・通信45,730円14.6%
教育11,939円3.8%
教養娯楽32,125円10.2%
その他の消費支出47,093円15.0%

持ち家の世帯が多く「住居」が低いなど、金額をそのまま自分の予算にはできません。食料が3割前後という比率を手がかりに、自分の家計で大きくずれている項目を1つ見つけ、それを最初に締める候補にする、という使い方をします。

予算オーバーしたときの扱い

予算は1年で12回試すものなので、オーバーは前提です。決めておくのは、オーバーしたときの動き方です。

単月のオーバーは翌月の同じ項目で調整する

食費が予算6万円に対して6.5万円だったなら、翌月の食費の予算を5.5万円にして2か月で帳尻を合わせます。他の項目に余りがあれば、その月のうちに交際費の残りから回しても構いません。やらないほうがよいのは、貯蓄の箱から埋めることです。貯蓄に手をつけると、配分そのものが崩れます。

3か月続けてオーバーしたら予算のほうを直す

同じ項目が3か月続けてオーバーするなら、生活の実態と予算が合っていません。守れない予算を守ろうとするより、その項目の予算を実績の平均まで上げ、代わりに別の項目を同じ額だけ下げます。それでも合計が手取りを超えるなら、固定費の契約を見直す番です。見直しは失敗ではなく、精度を上げる作業です。

特別費の想定外は「特別費の予算」を直す

冠婚葬祭や急な修理など、予定に無かった支出は特別費の積み立てから出します。足りなければ、その額を翌年の特別費の年間合計に足します。月の変動費の予算はいじりません。

予算で家計簿をやめてしまう4つのパターン

  • 初月から全項目を平均の7割以下にする。守れない月が続き、予算表を開かなくなります。
  • 項目を15個以上に分ける。振り分けに迷い、小さなオーバーが毎月どこかで出ます。
  • オーバーした分を貯蓄から埋める。数字は合いますが、配分が崩れて貯蓄が残りません。
  • オーバーした月に記録もやめる。翌月で調整するための数字が消え、立て直せなくなります。
クレポン
クレポン

「オーバーしたら翌月で調整」って先に決めておくだけで、月末の気持ちが全然違うね。予算のほうを直していいのも気が楽になったよ。

毎月の予算をどう確認するか

予算表ができたら、月末に5分の確認を1回入れます。見るのは2つです。

項目ごとの円グラフで「一番大きい項目」を予算と比べる

円グラフは、今月どの項目が大きかったかを1目で示します。一番大きい項目の金額を予算表と比べ、超えていれば翌月の調整額を決めます。全項目を見比べる必要はなく、上位2つでその月の大きなずれはつかめます。

月ごとの推移で「3か月続いているか」を見る

月別の棒グラフでは、同じ項目が3か月続けて予算を超えているかが分かります。単月なら翌月調整、3か月続いていれば予算の見直し、という判断がこの1画面でできます。グラフから何を読むかは円グラフと月別推移で見るべき2つのポイントで詳しく説明しています。

予算の数字はメモに置いておけばよい

予算表はスマートフォンのメモや紙1枚で十分です。たとえばマネトナリ家計簿には予算を登録する機能はありませんが、収支項目ごとの円グラフと月ごとの推移が出るので、月末にそのグラフの数字を手元の予算表と見比べる使い方ができます。レシートを撮って記録した支出が項目ごとに集計されるため、比べる側の数字を自分で足し合わせる手間はありません。予算表は3か月に1回だけ更新すれば足ります。

よくある質問

手取りが月によって変わる場合、予算はどの額で決めればよいですか。
直近6か月の中で一番低い月の手取りを基準にします。多い月との差額は、そのまま貯蓄か特別費の積み立てに回します。平均で決めると、少ない月に必ずオーバーします。
ボーナスは予算に入れますか。
月の予算には入れません。特別費の不足分と貯蓄に充て、残りを自由に使う額として別に決めます。毎月の予算に混ぜると、支給が減った年に配分が崩れます。
夫婦で財布が別のとき、予算はどう分けますか。
共通の支出(家賃、光熱費、食費、日用品、特別費)だけを世帯の予算にし、それぞれの小遣いは各自の手取りから決めます。共通の支出をどちらがいくら負担するかは、手取りの比率で決めると納得しやすくなります。
予算どおりに使えて余りが出たら、どうしますか。
翌月に繰り越さず、その月のうちに貯蓄か特別費の積み立てに移します。繰り越すと翌月の予算が増え、基準がぼやけます。3か月続けて余る項目は、予算を下げてよい合図です。

マネトナリ家計簿(近日公開)

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まとめ

家計簿の予算は、手取りを固定費・変動費・貯蓄の3つに配分し、項目ごとの数字は過去2〜3か月の記録の平均から出せば決まります。比率の目安は物差しとして使い、固定費は実額、変動費は平均の9割、年に数回の支出は12で割って特別費に。オーバーしたら翌月で調整し、3か月続いたら予算のほうを直します。

次にやることは1つです。直近2〜3か月の家計簿を項目ごとに並べて、今日中に予算表を1枚作ってみてください。

参考